理事長所信
2026年度
一般社団法人 熊本青年会議所
第72代理事長 藤原 将和

はじめに

私は、生まれ育った福島県を、就職を機に離れ、2007年、21歳の時に熊本へ来ました。
知り合いは一人も居なく、今のような便利なツールも無い時代。
移動ひとつ、地域の特色を知ることひとつとっても、すべてが手探りで、大変苦労したのを覚えています。それでも、日本三大名城の一つである熊本城をはじめとする豊かな観光資源、人のあたたかさ、食文化に触れる中で、まちの魅力を体感し「このまちで商いをしてみたい」という想いから、熊本で起業する決断をしました。
ある御客様から「青年会議所に入会してみたら」とお誘いがありましたが、私は青年会議所という言葉も知らず、何をしている団体なのか全く分かりませんでした。
青年会議所の仮入会時には面接や研修がありますが、創業したばかりということもあり、本入会は見送ろうと考えていたと朧気ながら記憶に残っています。
仮入会期間も終盤のある日、市内から離れた場所での事業があり、当時は車も無く、地図を頼りに会場を探し歩きましたが、土地勘も無くあきらめて帰ろうとしたその時でした。
一台の車が目の前を通り過ぎ、窓が開きました。「君は仮入会の藤原君だよね?」 声をかけていただき、会場まで乗せていただいたのです。
車内では緊張と同時に、覚えていてくれた、気にかけてくれる方がいたと心の底から嬉しくて、今でも当時の情景が鮮明に脳裏に浮かびます。
起業はしたものの、同年代はまだ大学生。孤独や寂しさを感じていた中での出来事。
その優しさとあたたかみが青年会議所活動の起点となり、2009年、私は熊本青年会議所へ入会しました。
あれから踏ん張って18年。生を授かってから成人になるまでと同様の期間を、青年会議所に所属することになり、試練の連続で、「道」の選択や決断で幾度も悩み、逃げ出したい時もありました。
初めて理事を受ける時には「頼まれごとは試されごと」と先輩から教わり、その教えは、幾度も私を奮い立たせ、成長の歩みを自身から止めてはならないという、前進するスイッチを押してくれました。
「道」の選択や決断で、人生は大きく変わります。
社会人経験も乏しく、右も左も分からなかった私を快く、時に厳しくも、あたたかく育てていただいたのは、熊本青年会議所でした。
そのような意味で、私にとっての青春、会社の歴史はまさに、熊本青年会議所での継続的活動の歴史そのものかもしれません。
「青年会議所で受けた恩は青年会議所に還していく (恩送り)」 私の最大の使命です。
「4つの機会」

今日に至るまで、先輩方やメンバーと多くの貴重な経験をさせていただきました。
その多くの学びの中でも、青年会議所の特徴としてあげられる「4つの機会」は社会人経験の乏しかった私自身の成長の根幹であります。
研修プログラムや活動を通じて自己成長し、指導力や人間力開発につながる「個人の機会」。
地域社会との関わりや社会奉仕活動やまちづくりといった「地域の機会」。
JCI世界会議やJCI ASPAC (アジア・太平洋エリア会議)、海外姉妹JCの存在などを通して世界のメンバーとの国際交流や国際貢献といった「国際の機会」。
活動を通じて得られる経営スキルの向上及び、全国、全世界のメンバーと出会えることにより、新しいビジネスを生むきっかけとなる「ビジネスの機会」。
拡大説明や仮入会者オリエンテーション時の研修時には必ず説明されるものであり、それだけ貴重なものです。
青年会議所の事業や日々の活動は必ずこれらの機会のどれかにあてはまり 「4つの機会」は、青年会議所に入会することで、誰にでも平等に与えられます。
数多ある機会を掴みにいける環境があるのはこれまで全国各地の先輩方がつくりあげてきた信用のおかげです。
まずは我々がその環境を享受できていることに感謝の心を持ち、時間と同様に、使い方が非常に大切であることを再認識することが必要です。
ある先輩から「青年会議所のバッジと名刺の信用で、多くの方に逢え、行政からの協力も得ながら、事業構築をできるのは青年会議所ならでは」と教わり、それから私は自ら機会を掴みに行き、多くの事業に携わることで知識、見識を深めることにつながりました。
自身のスキルアップはもちろんのこと、かけがえのない仲間という財産をつくれることを確信しているからこそ、全メンバーに「4つの機会」の情報発信、提供をしていきます。
次世代へつなぐ成長の学び舎

近年、私たちを取り巻く環境は多様化・複雑化も相まって、価値観や人との関わり方も変化してきました。
その中でも10年後、20年後も地域に根差し、社会課題に向き合い、行動するリーダーを育成し続けていかねばなりません。
そのためには、私たちメンバー一人ひとり、自ら成長し続けることが必要不可欠です。
私自身入会当初は個人の自由という考えで、身なりに気を配らず、軽率な行動をしてしまう時期がありました。
その頃と比べ、叱咤激励を重ねて受けてきた現在の大きな違いは、「会社・青年会議所の看板を背負っている」という自覚の点です。
私たちは、会社や家族を代表して、貴重な時間を捻出し、青年会議所という組織に身を置いています。
だからこそ一つ一つの行動に責任をもたねばなりません。
また、先輩方が築いてこられた歴史の中で培った信用・信頼を更に築き、次世代へつなぐことは、明るい豊かな社会の実現への新たな一歩となります。
そして、青年会議所理念への理解、作法、議案づくり、伝える力は、単なる組織活動にとどまらず、自身のビジネスの事業計画や、人生においては礼節を学ぶことで大きな結果がかえってくることを私は経験してきました。
私たち一人ひとりが、自律の精神を持ちながら、考え、行動し、互いを高め合うこと組織には確かな一体感が生まれていきます。
それと同時に、先輩方との活動を通して学べる礼節や作法を大切にする心は、デジタル化が進む今の時代だからこそより強みとなり、自身の大きな付加価値となります。
青年会議所は、志を同じうする仲間と出会い、共に語り、成長し合う学び舎です。私たちは互いに磨き合いながら、時代の変化に対応しながらも、強い芯のある組織を更に築き、次世代へつないでいきます。
情報発信に戦略を、魅力が伝わる広報に

SNSの普及により、私たちを取り巻く情報発信の手段は大きく変化しました。
誰もが気軽に情報を発信できる時代だからこそ、広報には「目的」「計画」「手法」「継続」が必要不可欠であると同時に、「個人」「組織」を混在しての発信にはより注意をしなくてはなりません。
より多くの方への認知度向上を目指すのか、年齢や職種などターゲットを絞って届けるのかによって、取るべき手法は大きく変わります。
私自身、社業においてその違いによって効果が変わることを実感しました。
想いや本来の価値を届けたい相手に伝えるためには、目的ごとに分けて考えることが求められます。
また、青年会議所の事業は、「4つの機会」のどれかにあてはまるため、カテゴリー分けして広報をしていくことも大切です。
何故なら、受け取る側の誰かが、必ずそのどれかに共感し、興味を抱く可能性があるからです。
私たちの活動や事業は今の時代にこそ光輝く価値を持つものが多数あります。
そうしたことの積極的な告知や、笑顔溢れる報告が広がれば、自然と周囲の注目を集め、熊本青年会議所の活動や存在そのものへの関心も高まっていくことでしょう。
そして、これまで先輩方が築いてこられた信用・信頼を次世代につないでいくためにも、広報ルールを運営方が策定し、熊本青年会議所の魅力を最大限に発信する広報戦略を実施します。
例会から築くブランドと絆

例会は、全メンバーが一堂に会する貴重な機会であり、私たちの一年間の活動が同じ方向へ進むために、情報を共有し、協働し、共感を醸成する場であり、青年会議所運動の根幹を成すものです。
私は、例会を「熊本青年会議所のブランドマネジメントを体現する場」と位置付けます。
企業が商品やサービスを市場に浸透させるにあたり、明確なブランド戦略をもって差別化と価値訴求を図るように、私たちもまた「誰に、どのように運動を届けるのか」を常に念頭に置かなければなりません。
背景や目的の共有にとどまらず、例会事業が地域社会においていかなる価値を創出し、いかなる共感を得ていくのかという視座を磨くことが肝要であります。
例会構築における研鑽と議論の積み重ねは、メンバー一人ひとりに自覚を促し、社会に広く共感される運動の展開へとつながります。
その継続こそが、熊本青年会議所というブランドを更に高め、地域における確固たる存在意義を示すことに資するものと確信しております。
また、例会の出席率向上は他の事業への関心や、参加参画を促進し、熊本青年会議所の力へとつながります。
入会から1度経験した 「100%出席例会」は、LOMが一丸となった瞬間であり、人と人との日頃からのコミュニケーションが結果として表れたものでした。
本年度「100%出席例会」へ挑戦し、例会への一歩から、仲間との絆を深め、より良い風を生み出していくことを信じています。
防災においての連携と備え

普段、安心安全な生活や環境はあたりまえではないと体感した「平成28年熊本地震」。
発災当時、私はメンバーとして、先輩方と共に救援物資の受け入れや避難所での炊き出しに奔走しました。
誰もが困難に立ち向かう中、復興へ尽力する先輩方の「格好いい大人の背中」に触れ、共に活動できることの幸せを実感するとともに、郷土の未来を切り拓くその姿が、私に郷土愛を芽生えさせるきっかけとなりました。
その想いがあるからこそ、熊本のまちと未来をより良くしたいという行動へとつながっています。
あれから10年、令和7年8月豪雨に関しては予測困難な災害を経験し、いつどこで災害が起きるかわからない「連携」と「備え」の重要性を再認識しました。
昨年の豪雨災害時に熊本青年会議所は、社会福祉法人熊本市社会福祉協議会と「災害時における相互支援に関する協定」を締結していることから、ボランティアセンターの運営ならびに災害支援活動を実施しました。
顔の見える関係性を再構築できたことを活かし、より信頼できる関係性を次世代のリーダーへつなぐために、社会福祉協議会と連携した事業、そして未来へ向けた備えを実施します。
心の豊かさが育む、郷土の未来

これから熊本を担うのは、間違いなく子どもたちです。
入会2年目から積極的に携わった「阿蘇→熊本徒歩の旅」においては、担当委員長、担当副理事長として子どもたちの成長を間近に観ました。
4泊5日、親元を離れての旅を通じて、「足るを知る」という学びが内面の豊かさや現状への感謝につながると実感し、私自身も多くの気づきや学びを得ました。
それ以外にも、熊本青年会議所はこれまでさまざまな青少年育成事業に取り組んできました。
青少年事業に積極的に参加してきて感じたことは、次世代を担うリーダーを育む原動力は「郷土愛」だということです。
熊本には熊本城をはじめとする豊かな観光資源や食文化といった豊富な「宝」があり、まちにとっての「宝」である子どもたちが郷土の魅力を知り、自ら発信や挑戦する経験を重ねれば、10年後、20年後の熊本は、より明るく、より豊かなまちになると確信しています。
そして、子どもたちに「信念をもって郷土のために行動する大人が地域にいる」と感じてもらうことが、地域の活性化には欠かせません。
私たち自身も、格好いい大人であり続けるため、子どもたちと共に、更なる郷土愛を育む事業に挑戦します。
熊本県立盲学校生徒招待事業は、時代の移り変わりの中にあっても、私たち青年会議所が果たすべき使命と活動の意義を再認識させてくれる、長い歴史を持つ大切な事業です。
私自身、スケートの経験があったため、入会当初に先輩につれられ事業へ参加しました。
細心の注意を払いながらも楽しい時間を共有し、その時の生徒さんから届いた「また来年も来るね!」という手紙に、私は大きな勇気をもらい、それから毎年事業に参加をしてきました。
本事業では、幼稚園から高校生までの盲学校の生徒たちが、勇気をもってさまざまなことに挑戦し、仲間と共に喜びを分かち合いながら成長していく姿に立ち会うことができます。
それは、生徒自身の意欲を引き出し、卒業後の自立に向けた大きな自信を育む貴重な体験となります。
メンバーにとっても、共に時間を過ごすことで、人は誰しも無限の可能性を持っていることを実感し、相手を思いやり、そっと手を差し伸べることのできる「心の豊かさ」に気づかされます。
それこそが、私たち青年会議所の本質であり、未来へとつながる大きな価値であると考えます。
スポーツを通じたまちづくり

熊本青年会議所が創設した「くまもとスポーツユナイテッド(KSU)」は、昨年度の公開例会においても、熊本県・熊本市・KSUの官民一体となり「くまもとスポーツ・ゼロカーボン推進宣言」を実施するなど、熊本のスポーツ界を牽引し、自走する組織としての取組みを着実に実行してきました。
また、熊本県による県有スポーツ施設再整備への着手方針が示されたことについては、地域スポーツの未来に向けたこれまでの先輩方の取組みが、その後押しの一助となったのではないかと感じています。
そして、火の国まつりに設けられた競技体験ブースには多くの市民が来場し、世代を超えてスポーツに親しむ姿が見受けられました。
その光景は、スポーツが果たすまちづくりの役割と本来的価値を改めて示すものでした。
本年度は、これまでの基盤を更に発展させる段階に位置づけられます。
行政との信頼関係を一層深化させるとともに、民間との連携を拡大し、KSUの知名度と存在感を高めていくことも求められます。
とりわけ法人化に向けた準備を進め、仕組みを整備することが喫緊の課題となるため、行政および関係団体と連携し、組織体制構築を図ります。
さらに、アジア地域との地理的優位性を活かし、スポーツを通した国際交流も視野に広域的な事業展開を推進してまいります。
KSUの法人化と外部団体への引継ぎ支援は、熊本青年会議所にとって新たな成功モデルとなるものであります。
スポーツを核としたまちづくりを進めることにより、地域経済や社会の発展に寄与し、熊本の未来を切り拓く原動力となることを確信しております。
また、4月には「第35回九州地区JCサッカー選手権熊本大会」が熊本の地にて開催されます。各地青年会議所との交流を通じて連携を更に強化し、次世代へとつながる大会をLOM事業として支援いたします。
会員拡大は、全員が日々実践できる運動である

青年会議所における会員拡大は、メンバー一人ひとりが、日々の中で実践できる最も身近な活動であり、熊本青年会議所の未来をつくる運動です。
私たちはこれまで、入会して初めて知る青年会議所の魅力に触れ、挑戦し、成長の機会を得てきました。
青年会議所が提供する「挑戦」 「成長」 「仲間との出会い」を、一人でも多くの人に伝え、共感を得ることが、持続可能な組織づくりの基盤となります。
また、青年会議所に入会するメリットの一つとして、バッジと名刺、信用、礼節があれば、全国各地、世界の現役メンバーと会え、シニアの先輩方もすぐに打ち解けてくださり、さまざまなことを教えていただけることです。
ある先輩が卒業生答辞にて、「魔法のカード」と表現されたように、青年会議所には20歳から40歳までという有効期限があります。
後から入ろうとして入れなかった、もう少し早めに入っておけば良かったと後悔する人がいることは、地域にとって損失であります。
そうした考えをもって、未来を担うリーダーに青年会議所の目的や意義、魅力を的確に伝え、「50人会員拡大」に励みます。
また、仮入会者向けの会員研修においては、これまでの検証結果や引継ぎ事項を踏まえ、委員会PR等に工夫が生まれ、新たな視点が加わったことで、実施する度に計画の精度が高くなってきました。
本年度は、本入会になってからの積極的なJCプログラムの案内や出向奨励をし、新たな仲間に青年会議所ならではの強みを実感できる環境を整えます。
そして、現状分析から今後の強みや課題を予測し、中期目標を設定し、計画的な拡大に挑むことで、卒業制度がある青年会議所においても、持続的な成長と未来への好循環を生み出したいと考えています。
私たち一人ひとりが、自己成長に挑み続け、日々の中で拡大運動を実践し続けることが、熊本青年会議所の未来を切り拓く力になると信じています。
市民の選択が、まちの未来を創る

熊本青年会議所は、2005年から熊本市長マニフェストの検証事業を継続して行い、政策の実行状況を可視化することで、市民がより良い選択ができる環境を整えてきました。
本年度は、この運動を次世代へと継承していく基盤づくりを念頭に、大西市長の4年間の政策実行状況を検証します。
また、令和8年11月に熊本市長選挙が開催されます。
市民一人ひとりが選挙に行き、投票を通じてまちづくりに参加することは、民主主義社会の根幹です。
特に人口減少や高齢化が進む現代において、地域の未来をどう築くのかを決めるのは、市民一人ひとりの意思表示に他なりません。
近年の熊本市長選では、2018年36.92%、2022年34.98%と投票率の低下が続いていますが、直近の参議院議員選挙2025においては、熊本選挙区の投票率は59.03%と前回の選挙よりも投票率が9.91%向上しました。
こうした事態は、これまで政治に無関心であった層の政治参画意識の向上、若年層の選挙への参加といった良い傾向の現れです。
今後更に重要となるのは、有権者が政策本位で判断することに加え、まちの変化や未来ビジョンが具体的かどうかを検証できる機会をつくることです。
そのうえで、マスコミ報道やSNSの断片的な情報やイメージに左右されることなく、公正公平の環境で候補者間の違いを冷静に見極められる場を提供していく必要があります。
候補者が掲げるマニフェストは未来を託すための重要な判断材料です。
立候補予定者の皆さまにマニフェストを提示いただき、政策本位のローカルマニフェスト型公開討論会を開催いたします。
私たちはこれからも、行政と市民をつなぐ架け橋として、政策検証・政策提言・公開討論を通じ、市民と共に「まちづくりの主役」であり続けます。
未来へ紡ぐ絆、未来を拓く友情

福井青年会議所と熊本青年会議所は、歴史と文化、そして人づくりの面でも深いつながりがあります。
ともに藩政時代の城下町として発展し、福井は松平家、熊本は細川家を中心に、歴史と伝統文化を今に伝えるまちです。
さらに、両市は横井小楠に象徴されるように、教育や人財育成に力を注いできた共通の歴史を有しています。
また、水害という共通課題に向き合い、防災・減災の取り組みに力を注いできた点も、両市の絆を深める要素です。
そして、「全国城下町シンポジウム」 「国際アカデミー」といった大会においても多くの御協力、「平成28年熊本地震」「令和7年8月豪雨」被災において多大なる御支援を賜りました。
本年度、姉妹JC締結30周年を迎えるにあたり、先輩方が築きあげてこられた信頼を受け継ぎ、両青年会議所メンバーが互いに学び合い、切磋琢磨し、より強固な関係を次世代へつなげる交流の場をつくります。
また、コロナ禍の終息とともに再び活発になった、海外姉妹JCとの交流から育まれた友情は、メンバーに貴重な経験をもたらしました。
異国の文化を知ることは、住み暮らす地域の魅力を再認識することへとつながります。
本年も先輩方が紡いでこられた海外姉妹JCとの交流を継続し、地域の国際化の更なる一歩、未来へと紡ぎます。
国際の機会

私が起業した頃、熊本市内で海外の方を見かけることはほとんどなく、青年会議所に入会した当初も「国際」という言葉は自分とは無縁に思えたものでした。
しかし、海外でのブース出展や国際アカデミー事業熊本開催、各国での大会参加を通じ、自ら国際の機会を掴みにいくことで、一歩踏み出せば、相手は自分に興味を示してくれることをいい意味で実感しました。
今では地域の国際化が当たり前となり、ビジネスにも大きな可能性を感じています。
これからも、世界を身近に感じ、果敢に挑戦することは、青年経済人にとって必要不可欠であると確信しています。
本年は、新潟市でJCI ASPAC (アジア・太平洋エリア会議)が開催されます。
国内開催という最大の好機を活かし、アジアの仲間との交流や友情を育みます。
また、JCI世界会議がクラーク(フィリピン)にて開催されます。
世界会議は文字通り、世界中のNOM(国家青年会議所)が一堂に会する機会であり、世界的なつながりをより身近に肌で感じることができます。
国際の機会はまだ自分にはほど遠い世界だと思っていたメンバーが、新たな挑戦へと向かい始めるきっかけになると同時に、地域の魅力を世界へ発信する機会を通じて、世界中のメンバーに「熊本に行ってみたい」と思っていただけるような世界会議ブース出展事業を実施します。
そして、熊本青年会議所は、昨年度、海外姉妹JCとの連携のもと、子どもたちが異文化に触れる機会を創出し、相手を理解しようとする姿勢を育むことで、郷土愛の醸成を目指す国際青少年事業を展開しました。
本年度も継続事業として、昨年度の事業を検証したうえで、国際アカデミーを経験したからこそできる、よりステップアップした国際青少年事業を実施いたします。
他者を尊重し、多様な価値観を受け入れることで、自らの郷土の魅力にも気付く。そうした機会を、次世代を担うリーダーたちに提供し、地域の未来を切り拓くグローバルな人財の輩出につなげていきます。
出向奨励

青年会議所活動に少しずつ参加できるようになってきた入会3年目、先輩から突如呼ばれ、おめでとうの言葉。
何事か分からず、九州地区協議会の委員会運営幹事に任命されたのが私の初出向でした。
パソコンもろくに使えず、車もありませんでしたが、天草本渡から委員長が毎回迎えに来てくださり九州各地へ同行しました。
道中では、これまでに考えたことの無かった人生観や、青年会議所について丁寧に教えて下さいました。
また、毎回出先への手土産を持参される姿に感銘をうけ、今日の私の基礎へつながっています。
そして、多くの各地域における先輩方との出会いがあり、今もあたたかく接していただけることは自身の人生における財産です。
2012年には九州地区へお誘いいただいた先輩が、公益社団法人日本青年会議所へ副委員長として出向されるとのことで、再度おめでとうの言葉に、疑いもなく二つ返事で出向し、それから全国各地の先輩方に多大なる恩を今日まで受けております。
2018年にはブロック副会長、2021年からは全国城下町連絡協議会理事として、熊本青年会議所の看板に恥じぬよう出向しましたが、出向したからこそ、まちや熊本青年会議所の魅力、未来への可能性に気付くことができました。
そして、各地域のまちづくりに励む同志に会え、「万里一空」でつながっていることは私にとって無形の資産です。
出会った方々の地域がテレビに流れた時、名所や名産では無くその方々の顔が浮かびます。
地域の魅力はやはり「人」であると出向から学びました。
また、出向するには現場から抜ける、即ち仕事の手法を変えねばならないと、経営者として一歩進める機会となりました。
まずは興味を持ち、少し背伸びをし、かけがえのない出会いや経験のため一歩踏み出すことが大切です。
本年度も、各協議会に積極的に関わり、出向者を輩出するとともに、出向する仲間がその力を存分に発揮できるよう、それぞれの活動に対して必要な支援と協力を惜しまず行ってまいります。
そして、新たに例会の場において出向者報告を設け、メンバーにとって有益な情報や学びを共有する時間を構築します。
支える力が、信用・信頼へとつながる

1955年の創立以来、熊本青年会議所は、時代とともに変化する社会課題や価値観に真正面から向き合い、明るい豊かな熊本の実現を目指して、さまざまな運動を展開してまいりました。
この70年にわたる歩みの中で築かれてきた先人たちの想いと歴史を受け継ぎ、これからも地域から求められる組織であり続けるために、仲間と共に挑戦し続ける組織を目指していかなければなりません。
その実現には、運営方だけでなくメンバー一人ひとりが果たす役割を再認識することが必要不可欠です。
運営方は、会議体である青年会議所の根幹を担い、LOM全体の方向性を見極め、運動の基盤を支える要として、自覚をもって運営に臨みます。
加えて、私たちの組織には、多様な価値観に触れ、互いに学び合える環境があります。
近年、事業計画書や議案作成の学びの時間は失われていましたが、より効果的な事業の実現に向けて、再度学びの機会を実施し、組織全体で質の向上を図ります。
さらに、私たちが自らの企業経営において支出の妥当性や効果を必ず確認するのと同様、会費収入が適切に使われているかを確認することは、青年会議所において欠かすことのできない責務です。
また、行政や各種団体との連携は、私たちの運動を広げ、地域との信頼を深めるうえで欠かせません。
近年、さまざまな場において地域からの人的支援、事業後援協力依頼は増加傾向にあります。
窓口として迅速に対応できる体制を整えることは、信頼関係を次世代につないでいくうえで大切な使命です。
熊本青年会議所の顔であり、土台である事務局セクレタリーが、礼節や率先行動をし続けていくことで、熊本青年会議所という学び舎の更なる魅力発信となり対内、対外に好影響を寄与します。
青年会議所は多様な仲間と出会い、学び、議論し、恐れずに挑戦し続ける組織です。メンバー一人ひとりが積極的に多くの機会へ参画し、それぞれが得た経験と気づきを持ち寄ることで、強固なLOMを築きます。
結びに

入会して2年目、幹事という役職を受けましたが、経営が苦しく「青年会議所活動に行ってる場合じゃありません」と当時の委員長に言ってしまったことがありました。
その後、職場に来られて「委員会メンバーの誕生日を覚えることはできるだろう」と言っていただいたことが昨日のことのようです。
先輩は私がまた、出席できるようになった時の居場所、役割を用意してくれていたのだと思います。委員長の人柄や行動力にあこがれ、私は委員長を目指しました。
また、ある先輩に「いつもよくしていただいておりますので、どのように御礼をすべきでしょうか?」と質問したところ「青年会議所で受けた恩は青年会議所に還していきなさい (恩送り)」という言葉をいただき、胸に刻みながら活動してきました。
ここに至るまで、経営者としての未熟さから内的要因、熊本地震やコロナ禍といった外的要因等々、何度も壁にぶつかり、苦しい時期があり、経営も青年会議所活動も、決して順風満帆ではありませんでした。
しかし、その度に青年会議所での学びや経験、かけがえのない方々との「御縁や御恩」があったからこそ乗り越え続け、今があります。
また、困難にも決して逃げ出さなかったのは、心に刻んだ座右の銘 「頑張るな、踏ん張れ!」という言葉が、何度も自分を奮い立たせてくれたからです。
これからもこの言葉を胸に、仲間とともに、前へ進んでいきます。
私はこれまで、家族や社員、そして支えてくださる多くの皆様の理解と応援を受け、青年会議所活動に向き合ってきました。
経営者としても、父親としても、JAYCEEとしてもまだまだ成長の途上だからこそ、私自身が誰よりも率先して行動することで、未来を担うリーダーたちが、果敢に挑戦できる環境を構築し、まちづくりのバトンをつないでまいります。
熊本青年会議所は、必ずや地域の未来を切り拓き、若者たちの挑戦の原動力となる存在です。
敬愛する父が他界し、最期の教えは「人生は有限」であるということでした。
青年会議所活動も20歳から40歳までの「有限」です。
挑戦するスイッチ、背中を押してくれた多くの方々への感謝を胸に、「有限」であるからこそ今この瞬間、そして共に歩める御縁を何よりも大切に。
さぁ、一歩踏み出そう。明るい豊かな熊本のために。

2026年度スローガン

有限実行 ~頑張るな、踏ん張れ~
2026年度基本理念
限りある時間を大切に
郷土愛を胸に果敢に挑戦し
希望ある豊かな未来を築く
2026年度基本方針
- 仲間と共に地域と協働し魅力溢れる熊本へ
- 組織の価値を高め共感と仲間づくりで未来を切り拓く
- 郷土愛を育み歴史を継承し持続可能なまちの創造
- 多様な価値観をもち挑戦するグローバル人財の育成
- 礼節をもち連携で築く強固な組織
