理事長所信

理事長所信

一般社団法人  熊本青年会議所
2018年度  第64代理事長  三角  研次

はじめに

「青年会議所は失敗していい団体だ」。入会した頃、当時の先輩から伺いました。その言葉の意味が初めは全く理解できませんでしたが、熊本青年会議所に入会して13年間、その中の10年間を理事会構成メンバーとしてただがむしゃらに活動する中で、少しずつですが理解できるようになりました。私が2006年に入会した頃は、「ひとづくり」や「まちづくり」など全く考えてもおらず、自分が住み暮らすまちのことや、ましてや世界平和など到底思いもよらないものでした。そんな私が熊本青年会議所で多くの人と出会い、様々な活動を行い、いろいろな経験をし、少しずつですが成長をさせていただきました。今の自分の姿があるのは青年会議所のおかげであると自信を持って言えます。青年会議所は、自分の時間とお金を使って「修練」を積み、その活動は全てが「奉仕」の精神に基づき、だからこそ芽生える「友情」がここには存在する。その「三信条(修練・奉仕・友情)」に基づいて行う正解のない私たちの活動に、思いを持って本気で会議でぶつかり合う、だからこそ「失敗していい団体」といえるのです。
2015年の熊本青年会議所創立60周年記念式典の場で、当時担当副理事長だった私は、お世話になった関係団体の方々、シニアの先輩方、現役メンバーの前で「未来への提言」を発表いたしました。「州都になり得るくまもとづくり」を目指す上で、熊本青年会議所のビジョンを「報恩謝徳」「東アジア戦略」「ひとづくり」「行政・市民との共生」という4つのコンテンツに分けてお伝えしました。青年会議所が単年度制である以上その年その年の活動があるのは当然のことですが、提言を実現すべくしっかり努めることも我々の責任です。本年は、2015年に思い描いた姿である「未来への提言」に少しでも近づけるような活動をしていきます。

次世代のリーダー育成とGlobalな生きる力

2005年、熊本青年会議所創立50周年記念事業として始めた「徒歩の旅事業」は、2014年の10回目を最後に開催していません。それから3年間、創意工夫を凝らして青少年育成事業を行い、熊本の宝である未来を担う子供たちに様々な機会を提供してきました。しかし、「徒歩の旅事業」を経験した私は、この事業の素晴らしさというものを時が経てば経つほど感じ、一人でも多くの子供たちに、また一人でも多くのメンバーに経験していただきたいという気持ちが日に日に大きくなっています。最後に行った4年前を知るメンバーがまだ残っている今だからこそ、ゼロから始めるのではなく、この事業を始めた経緯と止めた経緯をしっかりと理解 し、その思いを引き継ぎ形にしていきます。「100人の小学生を連れて、100kmの道のりを4泊5日で完歩する」。再開する本年、以前のような形には戻れないかもしれませんが、この3年間で新しいメンバーが多く入会したことにより、また新しい事業として生まれ変われると確信しています。この事業に参加した全ての方々に、その場所でしかできない経験や、その仲間としか味わえない達成感というものを感じていただきたい。参加する子供たちには、非日常な環境に身を置くことにより、普段の当たり前のことに有難味を感じていただき、学生ボランティアには数日間での子供たちの成長をその目で見ていただき、熊本青年会議所メンバーには修練の中でメンバー間の友情を育み、自己成長の機会としていただきます。
また昨年、熊本青年会議所は、第30回国際アカデミーin熊本を開催いたしました。我々にとって数年来の夢であり目標であったこの事業は、メンバーに国際の必要性を知ってもらうのと同時に、国際の楽しさを大いに感じさせてくれました。その中の一つのプログラムであった「学校訪問プログラム」は、多くの可能性を感じさせてくれた事業でした。海外からの参加者と直接触れ合った熊本市内の小学生にとっては、国際の扉を開く瞬間であったはずです。そこで本年は、熊本市と熊本青年会議所が共に目指す「東アジア戦略」の推進として、姉妹JCであるマレーシアの「丹絨武雅(タンジュンブンガ)国際青年商會」、台湾の「仁徳(レンデ)国際青年商會」をはじめ、様々な国籍の方々と連携をし、国際的な青少年プログラムを開催いたします。自国の文化を学び他国の文化を知り、寝食を共にすることで、子供たちにとって多くの気づきと、成長の機会となるでしょう。また、我々メンバーにとっても世界との友情に触れる絶好の機会です。次世代のリーダーを育成し、Globalな青少年事業を行うことにより、「ひとづくり」を新たな形で進化させていきます。

出席率にこだわった例会と広く伝わる広報

メンバーには例会に出席する権利があるのと同時に、出席しなければならない義 務がありますが、開会前に丸付けを行うメンバーや、閉会間際に会場に訪れるメンバーが少なくないのも事実です。月に一度、熊本青年会議所の全メンバーが一堂に会する場が例会です。熊本青年会議所の一年間の活動が同じ方向に向かうために、例会は様々なことを共有し、協同し、共鳴する場でなければなりません。そのためには、一人でも多くのメンバーに例会に参加していただく必要があります。どのような例会なら参加してみたいかの検証をしっかり行った上で、是非参加してみたいと興味をもってもらえるような例会を設えます。まず例会の出席率をあげることが、その他の事業にも波及し、LOM全体によい風を吹かせてくれることでしょう。
私が広報委員長を務めた2010年以前から「青年会議所は広報下手」と言われていましたが、未だにそれは改善されていないように感じます。私たちが行う活動には一つひとつに思いが込められ、どこに出しても恥ずかしいものなどありません。しかし、我々が行っている活動を深く知らない市民が多く、また一方で青年会議所 に対して良くないイメージを持っている方がいるのも事実です。大きな理想を掲げ、「地域のために」という思いで行う我々の活動は、多くの市民の方々に知っていただくことで、その効果は何倍にもなります。様々な広報手段が存在する時代だからこそ、正確な情報を、よりスピーディに、より多くの方に知っていただくチャンスがあります。また、これまでいろいろな事業をテレビやラジオ等のメディアを使いPRしましたが、その影響は図りしれないものがあります。対内だけではなく対外に向けた広報、さらに事後広報だけではなく事前広報にも力を入れます。市民の 方々に共感していただくことこそが、「行政・市民との共生」に繋がり、行政・市民と協同した事業を行うのに必要なことだと考えます。またそうすることにより、長年のテーマである「拡大」にも繋がっていくことになるのです。

会員拡大に対する意識の変革と内なる拡大の必要性

メンバーが40歳で卒業を迎える青年会議所は、拡大活動を行わなければメンバー数は減少し、会の存続ができなくなります。新たなメンバーの増加は新たな発想を生み、新たな事業となって、結果的に新たな友情を育むこととなります。しかし、メンバーの拡大は毎年思うようにいかず苦戦を強いられています。個々の力に頼ってその年その年の拡大を行っては、人口の減少に伴ってますます厳しい時代に入っていくでしょう。まずは定期的な拡大会議の開催や、メンバー間の情報の共有を図る等、拡大の手法を模索した上で、メンバーが常に拡大の意識を持つようにしなければなりません。それぞれが自分の意思で入会し、自分の時間と自分のお金を使って活動している団体です。それぞれが愛するこの団体を、周りにいる知人や友人に勧められないはずがありません。自分の周りにいる大切な方に青年会議所を語り、自信を持って入会を勧めましょう。それだけの価値がある団体だと自負していますし、入会いただいたメンバーの成長に必ず繋がる団体だと確信しています。
また近年、全国の青年会議所で、入会3年未満であるアカデミーメンバーの増加が話題になっています。熊本青年会議所も同じく、アカデミーメンバーの割合が近年かなり高くなってきています。新しいメンバーの入会はLOMに新しい風を吹かせ、新しい発想を生むことは間違いありませんが、せっかく入会したメンバーが青年会議所の魅力に気づかずに、数年で退会をしてしまっているのも事実です。入会いただいたメンバーに青年会議所活動の意味をしっかりお伝えできるように、これまで行ってきた仮入会のシステムを変更いたします。LOMで居場所を見つけ、活動の意義を感じていただき、LOMの運動を更に推進する力となっていただくためです。そのために、その年に入会いただいた全メンバーは一つの委員会に配属をし、三ケ月の仮入会期間では伝えきれない青年会議所の「いろは」を一年間かけてお伝えします。そして活動を通して青年会議所の魅力に気づき、その中で同期の友情を十分に育んでいただきます。一年を通して培われたものが翌年以降に実を結び、熊本青年会議所にとってなくてはならない花を咲かせてくれることでしょう。

 

熊本行政・市民との共生

2016年に起こった熊本地震は、我々の地域に未曾有の被害を及ぼし、今でもその爪跡は大きく残っています。熊本青年会議所は発災直後から的確な支援活動を行うために迅速な調査を行い、その時その時に必要な支援を考え行動してきました。震災のあった2016年、我々は「熊本城の完全復活」「仮設住宅者ゼロ」「落ち込んだ経済の復興」を復興ビジョンとして掲げ、今後もこれを基本方針として復興に向けた活動を継続することを決意しました。復興支援を行う上では、いま何ができるかを調査・研究し、継続的な支援を行うことが必要です。何年後何十年後になるかわからない目標の実現に向けて、復興が1mmでも前進するように、まずは問題点をしっかり把握した上で、熊本青年会議所にしかできない復興事業を行います。
また、熊本青年会議所は、熊本市長のマニフェスト検証を2005年から毎年欠 かさずに行ってきました。選挙に行って投票をすることは、市民が行うまちづくり としてとても大切なことです。自分たちの意思を投票という形で表す時に、そこに は候補者のマニフェストが根底にあるべきです。そのマニフェストを基に市民は未 来を託すのです。13年間マニフェスト運動を守ってきた私たち熊本青年会議所は、本年も責任をもって大西市長の1期4年目の検証を行います。行政にはしっかりと したヒアリングを、また熊本に住み暮らす市民の声に耳を傾けながら、2014年の選挙時に掲げられたマニフェストが実行されたのかを、有権者の皆様の前でお伝えいたします。また本年は、大西市長の任期満了に伴い、首長選挙が行われます。候補者にはマニフェストを提出していただき、政策本位のローカルマニフェスト型の公開討論会を開催します。これからも市民と共にマニフェストサイクルを守り継続することが、市民と協同したまちづくりに繋がると確信しています。
そして2017年度は、熊本市の各区と熊本青年会議所との新たな繋がりができた年でした。区役所に足を運び区長と面談をし、各区の取り組みを学んだことは、私たち自身が住み暮らす区のことを改めて考える素晴らしい機会でした。各区に住み暮らすメンバーがそれぞれの地域と密接に連携することは、有事の際やまちづくりを考える時に必要なことで、今後の青年会議所の活動になくてならないものになるでしょう。本年は、昨年以上に各区との繋がりを強化し、4人の副理事長と専務理事を中心として各区が行う活動に参画し、各区の取り組みに青年として提言ができるような働きかけを行います。

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他の地域と連携したまちづくり

青年会議所は、「まちづくりが出来るひとづくり」をする団体です。熊本に住み暮らす私たちは、熊本のまちづくりを行うのはもちろんですが、他の地域と連携したまちづくりを行うことにより、更に熊本のまちづくりを推進できるはずです。2011年より一般社団法人延岡青年会議所と協同で運動を行っている事業もその一つです。九州中央自動車道の早期実現に向けて、双方にもたらされるメリットを共有し、更なる連携を図っていきます。また熊本青年会議所メンバーに「道」の必要性を知ってもらうことから始めた事業ですが、7年間で熊本市民にも少しずつですが伝播していると感じます。この7年間で多くの方々と築いたご縁をさらに強化します。
そして本年は、宮崎市で全国大会、鹿児島市でJCI ASPAC(アジア・太平洋エリア会議)が開催されます。熊本青年会議所のスポンサーJCである一般社 団法人宮崎青年会議所、また公益社団法人鹿児島青年会議所に寄り添い、副主管として協力をいたします。多くのメンバーで両地を訪れることは、全国やアジアの仲間と触れ合い、友情を育む絶好の機会となるでしょう。そして、全国・アジア中か ら集まるJCメンバーに、オール九州で九州の魅力をPRし、また、熊本にも行っ てみたくなるような魅力あるブースの出展を行い、大会を大いに盛り上げましょう。副主管を務める大会のみならず、公益社団法人日本青年会議所、九州地区協議会、熊本ブロック協議会にコミットし、出向者を輩出するとともに、それぞれの活動に熊本青年会議所として必要な支援と協力を行います。

バランスの取れた会議運営

青年会議所は名前のとおり会議をする機会が非常に多く、その活動の全てを会議に於いて決定し、実行に移します。年によって違いはありますが最低2か月間の協議を重ね、幾度も幾度もいただいた意見に対応し、その一つひとつに真摯に向き合います。私も入会以来、会議を重ねて修練を積み、成長させていただいたと確信しています。しかしながら、膨大な数の意見対応で方向性を見失い、それによって新しい発想やアイデアが委員会から浮かばなくなってしまっては、本末転倒です。
「厳格な会議運営」と「臨機応変な会議運営」という一見相反する両者のバランスをとりながら、各委員会が分掌する担務に目的意識をもって取り組んでいけるような運営を行います。また、「青年会議所の常識は一般の非常識」と世間から思われないように、時代に即した会議ルールと上程マニュアルに基づき、会議を運営いたします。事務局が行うセクレタリーは、青年会議所特有の担務です。私も入会した翌年に事務局次長を経験しましたが、ただの鞄持ちでも秘書でもなく、様々な経験と素晴らしい出会いに溢れていました。その時の経験がなかったら、理事長をさせていただている今の自分の姿はないと自信をもって言えます。一見雑用と思われるような事務局が担当する全ての役割に、目的意識を持ち、それぞれが自発的に行動できれば、それは素晴らしい経験となり、必ず成長できる一年が待っていることでしょう。

 

LOM全体が輝くために

私は2006年に熊本青年会議所に入会をしましたが、当時の委員長はみな格好よく、当時仮入会者だった私にとって、卒業までに一度は委員長をやってみたいと思えるような、ある意味遠い憧れのような存在でした。「過去は美化される」と言われます。確かにその通りかもしれませんが、「昔」を知っているメンバーの一人として、格好よく憧れられる委員長が減ってきているように感じます。ルールにとらわれ過ぎて窮屈になっているのか、やらなければならないことが多くて精神的にも肉体的にも余裕がなくなっているのか、いまの時代が厳しく経済的にも時間的にも余裕がなくなっているのか。近年、「格好よく」「メンバーに憧れられている」委員長がどれだけいるでしょうか。私は、「LOMは委員長次第」と常日頃から言ってきました。本年、理事長として、メンバーの先頭に立ち、突き進んでいくのはもちろんですが、「LOMは委員長次第」という思いは変わりません。なぜかと言えば、委員会のメンバーは、委員長の背中を見て、委員長からLOMの情報を得て、共に修練を積み、思いを共有し、そして委員会で友情を育んでいるからです。したがって、委員長は前述したように「格好よく」「メンバーに憧れられて」なければなりません。まずは、大切なメンバーをお預かりする委員長としての覚悟を持つことはもちろんですが、その上で委員会メンバーを家族のように思い、どんなに辛い時も笑顔を絶やさずに青年会議所活動に邁進してほしいと思います。委員長が輝くことこそが、全てのメンバーが輝き、LOM全体が輝くことに繋がるからです。そして全ての向日葵が太陽の方向を向くように、全てのメンバーが同じ方向を向いて行動できれば、我々の団体はもっともっと大きく成長することでしょう。
熊本青年会議所の全メンバーが光り輝くよう、メンバーを照らし続ける太陽となるべく行動することを宣言いたします。

【2018年度スローガン】

歴史を継承し、 個性が輝く JC たれ

【2018年度基本理念】

全てに目的意識を持ち
自発的に行動 するJAYCEE を目指す