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一般社団法人 熊本青年会議所

一般社団法人 熊本青年会議所
2022年度 第68代理事長 南 隆一

はじめに
私は、青年会議所活動がいまの自分にとってすべてだとは思っていません。それは、仕事や家庭がうまくいっているからこそ青年会議所活動ができていると考えるからです。しかし青年会議所に出会わなければ今の自分は存在しないし、そこには「感謝」しかありません。

2012年にこの熊本青年会議所を知り、どの様な活動をしている団体かも分からないまま仮入会させていただき、同期のメンバーからは「本入会はしないだろう」と言われていました。しかし、入会規則である出席数も足りそうになかった自分の為に動いてくださった先輩の熱意ある行動に心を動かされ、最終的には本入会させていただく事になりました。直接的な利害関係のない自分にここまでしていただいた事に感謝を覚えたと共に、様々な事業や会議に参加するにつれて信頼できる仲間も出来ましたし、熊本青年会議所の魅力も知ることができました。委員会や事業、各種大会に参加することの楽しさ、また参加したからこそわかる学びを得る事ができ、そこから少しずつ内面が変化したように思います。携わる周りの方々、仕事関係の方々、一番近くにいる家族に感謝することができるようになりました。最近では、熊本青年会議所に入っていなかった自分を想像することができないくらい成長させていただいたと感じています。また入会していなければ諸先輩方に出会うこともなく、叱咤激励をしていただくこともありませんでした。
私が生まれ育った環境は裕福でもなく、両親が夜遅くまで仕事をしていましたが、貧しい中にも家族の愛情のもとに育まれ、また生き抜くことの厳しさを肌で感じ生きてきましたし、自分自身、「どう生きたか」「どう生きるか」を常に自問自答してきました。仕事でも私生活でも「頼まれごとは試されごと」と思い逃げ出さずに挑戦し続けてきた私は、もともと多くを語る人間ではありません。しかし、目の前の問題や課題に一つひとつ真っ直ぐに取り組み、自分でまず行動し乗り越えて来ました。それを続けることが仲間や周りから信頼されその先に繋がる事だと考えます。「知識」のみを詰め込んだ理屈っぽい頭でっかちの人間では、世間が認めてくれるはずはありませんし、そんな魅力のない指導者では、人の心を動かすような説得力を持ち合わすことは不可能であると考えます。青年会議所運動、活動も同じで、メンバー一人ひとりが何事も自ら進んで行動し続けることで地域への貢献ができると確信しております。青年会議所活動においては、初めは自分の事を考えて行動し、次に周りの事を考えて行動していくことが地域の事を思って行動することへと繋がり、更に諦めずに夢を持って挑戦し続ける事が大切です。自分が住み暮らす地域の事を思って行動すれば必ず周りの数名に伝わり、そういった数名の輪が少しずつでも広がっていけばいつかは必ず住みよいまちになるはずです。
「育成」
私達の年代は大半が子育て世代です。そんな私たちは、自分の子どもたちや周りの子どもたちにどんなメッセージを、送れているか。そしてそれは子どもたちにどのように伝わっているのでしょうか。本当の教育とは、子どもたちをまっとうな大人へと育んでいくことであり、あるべき大人の生き方を伝える事と考えます。私達は自らその背中を通して、「伝統や文化」の大切さ、愛する者を守ることの尊さ、そして生きることの素晴らしさを伝えていく使命を持っているのです。
一昨年から続く、新型コロナウイルスの影響により私たちの生活様式は半ば強制的に変化させられました。これまで「当たり前」だったことが「当たり前ではなくなって」しまいました。私たち日本人は、「そんなことできて当たり前だ」「そこは常識からして当たり前だろう」など「当たり前」という言葉を頻繁に使います。しかし改めて考えてみると、この「当たり前」とは一体何を基準にしているのか。私なりの考えでは、「社会の一般常識に照らし合わせた結果」というよりも、「自分自身が生まれ育った環境をもとにして」判断しているように思います。つまり私たちがごく当たり前だと思って行っていること、例えば休日には家族で旅行に行くとか、余暇を活用して海水浴に行くとか、そういったことは決して万人にとって当たり前ではないという事を意識することも大事なのです。私たちは何不自由なく生活でき、普段の生活ではなかなかそういったことに気付けませんが、ふと見渡してみると、自分たちの活動エリアにおいてもそういったことが当たり前にできない子どもたちもいるのが現状です。そのような彼ら、彼女らとふれ合い、少しでも多くの体験をしてもらうことでその世界観は大きく拡がり、また私たちの世界観もさらに拡がっていくのではないでしょうか。世の中は決して公平ではありません。ですがその不公平を少しでも減らしていくことができれば、熊本の未来を担っていくべき青少年に様々な可能性をもっと期待することができるのではないか、そしてそれは未来のまちづくりへとつながっていくはずです。青少年事業においては、特にそういったことを意識した取り組みを行っていきたいと考えています。
また本年第55回を迎える盲学校生徒招待アイススケート事業は先輩方から脈々と受け継がれてきた、熊本青年会議所の原点ともいえる事業です。子供たちがとても楽しそうにしている姿や、「楽しみにしていました」「ありがとうございます」といった声を毎年頂けることが55年という歴史を作り上げる原動力になってきたのだと思います。歴史があるということは、それだけ必要とされている、価値のある事業だと思います。まちづくりを行う団体としては必ず次世代に繋げなければならない大切な事業です。
「仲間」
この世の中には様々な社会が存在します。その中でも最小単位の社会は家族・家庭と考えます。多くの家庭においては親と子の関係が存在し、青年である私たちの多くはそういった子育て世代に当てはまるのです。私たちは様々な教えを子どもたちに伝えていこうとしますが、その背景にはわが子への強い愛情や命がけで守り抜くという覚悟、そしてそれらを裏付けることのできる実行力が伴っていなければ説得力はありません。何かを伝えようとする前に、自分自身を見直してみることも必要なのです。例えば「自分はきちんと親孝行しているのだろうか」自分の親に対して敬意を払う姿勢からしか子どもたちは「親孝行」の大切さを学ぶことは出来ないと考えます。千の言葉を並べるよりも、自身の親に普段行っていることを見せる方が何倍も説得力があります。自分の背中は子どもたちにどれだけの価値を見せることができているのか、常に自問自答が必要です。
家族の話をしましたが、私たちが住み暮らす地域においても同じようなことが言えるのではないでしょうか。私たちは地域で伝統や文化を学んできました。もちろん学校教育においても多くの事を教わってきましたが、私の場合、それが郷土愛に昇華したのは青年会議所運動を通してでした。連綿と続く歴史の中で、私たちの先輩方はその時代、時代の困難を克服し、この地域で生きることの喜びを表す「郷土愛」を脈々と教え続けてきてくださいました。
またこれまで先輩方が育んでこられた友好JC、姉妹JCとの交流は絶やすことなく続けていき、今まで大きな背中を見てきた私たちは、先輩方が築き上げてくれた熊本青年会議所の名に恥じぬよう、メンバーたちに私たちの背中を見せ続けていかなければなりません。
もちろん自分自身で考え、決定し、歩み出すことも大切です。しかしより大きな影響力として伝えていくためには仲間の存在は欠かせません。同じ志を持つ仲間を得て切磋琢磨しながら、またいまの自分の背中がどの様に見えているのかを確認し合いながら共に進んでいく。そういった仲間を多く持つことで一人ひとりの人生が彩を帯びてくるとともに、メンバーや子どもたちに素晴らしい未来を想像し、創造してもらうことができるのではないでしょうか。
現在における自分自身の責任をしっかりと理解し、また将来を担う子どもたちやメンバーに恥ずかしくないように常に己を律し、くじけることなく真っ直ぐに進んでいこう。熊本青年会議所という学び舎で同じ志をもつ仲間と共に、全力で取り組んだ時間と労力は必ず報われると信じ、多くの仲間と出会う為に。
「会員拡大と資質向上」
現在の熊本青年会議所メンバーに問いたいことがあります。
「熊本青年会議所がなくなっても良いと思いますか」また「熊本青年会議所はこの地域において必要のない団体ですか」。
私たちが所属する青年会議所という組織は、40歳で強制的に卒業となります。何もしなければ徐々に減り続け、消滅してしまうのです。熊本青年会議所に所属している理由は一人ひとり異なるかもしれません。しかしこの団体に所属しているという事は何らかの価値を感じているからだと思います。価値があると思うなら存続させるべきではないでしょうか。またその価値がただの独りよがりであってはなりません。自分が感じる価値とは別に、団体としての存在意義や歴史があるからです。自身の更なる成長のためにも、まずここをしっかりと理解し、すり合わせることが必要です。そして新しい価値観が出来上がったら、少しでも多くの方に話すことで熊本青年会議所の存在意義や価値観は伝わっていくことだと思います。
さらに普段の自身の行動にも注意が必要です。会に所属している以上、自分の責任は自分が取れば良いという理屈は成立しません。思いやりや分別のない行動が100名以上の大切な仲間に迷惑をかけることになるかもしれないことを念頭に置かなければなりません。
厳しいことばかり言うようですが、それは私が、熊本青年会議所にはそれだけの価値があると信じているからです。本来この団体は、多様な価値観をもった仲間と出会え、地域における持続可能な活動を継承し、それらを実現していくために様々な経験をしながら、苦楽を体感する喜びを心身ともに共感することができ、郷土愛でまちづくりを行う素晴らしい団体です。間違いなく存続させ続けなければなりません。
また入会という一つの窓口だけでなく、入会後のフォローも重要です。入会しても残念ながらすぐに退会してしまう理由は、青年会議所運動や活動が理解されていないからではなく、先輩である私たちの姿勢が伝えきれていないからではないでしょうか。青年会議所も一つの組織です。組織である以上、その成長は必ず人に依存します。私たちは組織を成長させることを意識して新しい人財に接しているでしょうか。自分自身のみの狭い価値観を押し付けてはいないでしょうか。格好良い背中を見せることができているでしょうか。
この素晴らしい熊本青年会議所を存続させ、地域におけるまちづくり、そしてまちづくりのできる人づくりを行い続けていくためにも、本年も会員拡大に重きを置きます。
 さらに同じ方向や意識の共有は団体にとってとても重要なことです。会社でも同じことと考えます。5年後10年後の熊本青年会議所のあるべき姿や諸先輩方から受け継いだ伝統や歴史を絶やすことなく伝えるためにも、新たな取り組みとして在席年数が多く残っているメンバーで構成する「中長期戦略会議室」を設置し、熊本青年会議所として郷土熊本の未来について議論し、継続してより良いまちづくりが出来る会議体に取り組みます。また本会大会誘致を行う過程や、運営を学ぶためにも九州地区熊本大会を目指し熊本青年会議所がより一層一丸となるように取り組んでいきます。
「地域」
私たち熊本青年会議所は、行政との連携を行うなか本年度も熊本市各区連携に重きを置き活動してまいります。また熊本青年会議所として求められる物は何なのかをより詳細に把握し、各地域に住み暮らす方々の生の声を聴き、まちづくりや人づくりを行っていく上で、各地域の問題点や課題、さらにはニーズや将来の方向性を知ることが重要なのです。
しかし住み暮らす街が潤わなければ、地域の方々は安心、安全な生活を営むことが困難になります。ましてやそこで事業活動をしている私たち青年経済人は、青年会議所活動をし続けることにさえ支障を来す事となるでしょう。さらにまちづくりどころではなくなってしまい、地域にとっても大きな損失となる負のスパイラルが発生してしまいます。そのような事態に陥らないためにも、住み暮らす地域の政治や行政の方向性を知ることは大切になります。それらを知るために、熊本青年会議所が15年以上取り組んでいる、ローカルマニフェスト型公開討論会やマニフェスト検証があります。しかしマニフェスト検証会を通して政治や行政の方向性を知ることが目的ではありません。なぜならば地域の方々に広く知ってもらい、自分たちが望むまちづくりを行う政党や個人を評価し、投票すれば終わりではなく、良い意味での監視の目を持ち続けてもらうことが重要なのです。老若男女全ての方々が自分の住み暮らすまちにおいての当事者意識を醸成し、さらに豊かになるためのまちづくりを主体的に行っていく為、私たち熊本青年会議所は地域愛を継続させるための一翼を担わせていただいているのです。
また数多く地域の方々と対話を通して、中立な立場の熊本青年会議所が自らの地域に寄り添い生の声を届けられる様な事業内容で、ローカルマニフェスト型公開討論会を実施する予定です。さらに自らの郷土の活力を向上させるのはもちろんのこと、将来にわたって確認し続けることを推進することができるような素晴らしい活動をさせてもらえることに対して「郷土熊本」への感謝の気持ちを忘れずに取り組んで参ります。
「例会」
青年会議所には毎月メンバーが一堂に会する例会があります。ここでは会員の交流や学びのための情報を発信し、これからも熊本青年会議所という枠組みを超え様々な団体や行政との交流、活動を通し、まちづくりのための幅広い知識や情報を深めていく例会をしていかなければ今後の発展は望めないと考えています。また本年はアカデミーメンバーが約70%を超えており、まちづくりのための人材育成も重視した例会の必要性も感じています。
さらに近年、互いに直接会うことなく世界中の人と画面上で会議や会話ができ便利な時代になりました。しかし核家族化が進む現代で動画の配信やSNSの発達により一人の時間が多くなったことで、これまでよりさらに親戚や近所のコミュニティが遠くに感じられます。
我々、熊本青年会議所は「明るい豊かな社会」の実現に向け伝統、文化を継承して活動をしていますが、日本古来の精神性や伝統が損なわれるのではないかと危惧しています。
例えば、日本古来の精神性に「和の精神」が挙げられます。これは聖徳太子の時代から十七条憲法の第一条として記録が残っています。日本人は古来「和」を重要視し「武士道」の精神で進んできました。「和」とは相手に簡単に合わせることではなく、相手をよく理解し、お互いの相違を認め合ったうえで調和することです。「武士道」は、外面的な武勇よりも内面的な強さを重視し、人としての徳義論的な精神を深め、「嘘をつかない」「卑怯なまねはしない」「最後まで誠実に行動する」などと言った教えがあります。
この様に日本人の「和」の精神や「武士道」を通して「道徳観」をいま一度振り返り、古き良き時代が有るから今の日本があると伝える事も必要です。参加してよかった、残念ながらどうしても参加できなかったメンバーからは「参加すればよかった」という声が出るような例会にし、学びの多い、実りのある場にしていきます。
「熊本の水源」
熊本に住んでいる私たちは蛇口をひねれば美味しい地下水が当たり前に飲めることで、諸外国の抱える水問題に対して鈍感になってしまっているのではないでしょうか。目まぐるしく変化している世界において、持続可能な開発目標・SDGsの推進により今まで以上に「水」問題は世界規模で取り組まなければならない課題の一つです。その水問題に関わることができる「水の都」熊本で第4回アジア太平洋水サミットが開催されます。49か国の元首・首脳級が参加するハイレベルな会議が行なわれる機会を捉え未来につなげる運動を発信し、水問題解決の一助となる国際青少年事業を展開します。
最後に、「やさしくあるために、つよくなる」
これは、熊本青年会議所の先輩方から教えていただいた言葉です。人にやさしさを与えるためには、自分自身が強くならなければなりません。強さに裏打ちされたやさしさが必要なのだとおもいます。全てのリーダーには強さが求められます。強くなければ、組織や家族を守れません。ひいては、青年会議所活動もできません。大切なものに対しやさしくあるために、己を律する事から始め、地域に根付いた活動、運動を広げていくことで、様々な出会いを得て人脈を拡げていくことができるのです。熊本青年会議所は、努力次第でどこまでも自己成長ができる学びの場です。青年経済人にとって魅力のある団体だということ、人生の起点となり得る場である事、この魅力を後進に伝えていくことが、私の最大の使命であることを再認識し、多くの仲間と共にこの団体に心から感謝と恩返しをする一年にして参ります。
 
自分達の子どもや、未来の子どもたちに真っ直ぐ生きてほしい、曲がってほしくなくただひたすらに真っ直ぐに…。
2022年度スローガン
「自律」
~やさしくあるために、つよくなる~
2022年度基本理念
己を律することから始め
日々の精進を忘れることなく
「真っ直ぐ」な心で行動し背中を見せよう
2022年度基本方針
伝統と文化の発信と次世代への継承
組織の成長へ繋げる会員拡大
郷土愛を醸成し組織力と地域力の強化
成長と自律を促す強固な組織運営
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